老後の家計を補うためには、退職金の一部だけを運用

65歳を過ぎてから(定年退職後)の生活について漠然な不安を感じている人は少なくないでしょうか。

上場企業に勤めている会社員は数千万円の退職金が期待できますが、日本の9割は中小企業が支え、社員が50名未満の小規模の会社だと高額な退職金は望めないのが現実といえるでしょう。
 

タイトルには” 退職金の一部だけ運用”と書いてしまいましたが心細い退職金を運用に回すことには、不安を感じる方が大半だと思います。
 

でも、退職金を有効活用したいと心の底では感じているのではないでしょうか。

 
お金はあくまでも物です。
 
お金はただ寝かせて置いとくだけでは何も起こりません。残念なことに、物価上昇すればお金の価値確実に低下してしまいます。
 

実際には、お金は使える物だから(利用価値が広い)こそ利用価値があるのです。
 

昭和のバブリーな時代のように、銀行に預けておくだけで順調に資産が増えることは当面は起こりえないでしょう。(10年で預貯金が2倍に!?)
 

それなら退職金の一部だけ運用をして老後の生活費に役立てる選択肢を検討していただきたいと思うのです。

超高齢社会においては、公的年金は先細り、医療費、介護費用の負担だけが増え続けていくのは避けては通れない真実といっても過言ではありません。

これからの時代は公的年金以外の収入源を準備しておくのは “常識の範囲”といえるでしょう。
 

ニュースや新聞を見ている方なら、ご自身の老後の生活費が足りなくなるのは『うすうす気が付いている』と思います。

不安を感じているあなたは、「退職金の一部を運用に回す」などの選択肢を老後計画に加えておくことで、老後資金の枯渇を回避できる可能性が高まります。


●退職金の半分程度を運用に回せるのが理想! でも・・。
 

厚生労働省によると退職金の平均は大卒で2156万円ですが、東京都労働相談情報センターが公開している「従業員10人~300人未満の都内中小企業のみ対象とした賃金についての調査モデル退職金」資料によると支給金額は、高校卒で12,191千円 /高専・短大卒12,345千円 /大学卒13,839千円とありました。
 

高卒の退職者がもらえる退職金は、全国平均でみると56%の水準です。平均値でみるともかなり低い水準にあることがご理解いただけたでしょう。
 

年金の受給額と平均寿命で試算すると800~1000万円程度のお金を運用利回り3%が確保できれば、老後のお金で苦労する人は少なくなると思っています。
 

老後資金で住宅ローンを完済するという方も多いのですが、平均余命が90歳に近づく超高齢者社会を生き抜くためには「退職金」「私的年金」の一部を運用することで、人生の切り札に変えられるのです。

退職金には、「賢い受け取り方」と「賢い使い方」がある。

退職金を受け取る方法としては、
 

 退職時を一括で受け取る一時金方式
 一定の金額を分割して受け取る年金方式


①と②を併用して対応し会社もありますが、税制面ではいただける退職金の額と勤続年数にもよりますが、一般的には一時金方式が有利な場合が多い。

勤続年数35年なら1850万円までは非課税となり税金は不要となるからです。中小企業にお勤めの方であれば一時金方式で退職金を受け取ったほうがいいといえるのです。
 

賢く受け取った退職金を賢く使いたい。

 
 
退職金を賢く使うというのは、「退職金の減り具合を最小限に抑える」ことをいいます。

お金は使えば手元からなくなりますが、「退職金の一部を運用しながら将来的に取り崩すという方法」をすることで、使えるお金を多くすることができます。

老後の生活資金の総務省の家計調査によると高齢夫婦の生活費は月27.5万円。平成25年度の年金受給の平均が、国民年金で5万4544円、厚生年金が14万5596円とすると、夫婦の年金収入は約20万円程度と推測(会社員+専業主婦)

このモデルの場合は不足する7.5万円は、貯蓄の取り崩しで何とか生活しているのだろうと安易に想像できることでしょう。

厚労省の調べによると女性の4人に1人が95歳まで生きるそうです。
夫婦であれば妻が苦労しないよう余裕をもって老後資金を用意しておきたいもの。
 
そう考えると予め95歳までの生活費を見積もる必要がでてきます。
 

ザックリいってしまえば退職後30年の不足金は約2700万円となります。
退職金を住宅ローン返済に回すという発想はリスクが大きいことが判ってきたのではないでしょうか。

退職金の出費を極力抑えつつ、老後資金は自分の物差しで決める。
老後資金の考え方は、その人の暮らし方(ライフスタイル)によって、年間100万円で生活できる人もいれば、300万円でも苦しいと感じている方もいます。
 

生き方によって金額に差があるのは当然なことなのです。
 

生命保険文化センターの調査で「経済的にゆとりある老後生活費」は、平均で月34.9万円ですが、非正規で暮らす方40歳の男性に聞いたところ月収15万円に満たない人もいます。
 

大卒でも4人に1人が非正規労働者ということを考えると月額34.8万円は、高すぎる理想な金額と思えるかもしれません。
 

数値はあくまでも平均的な目安なのです。

老後資金に1億円かかると言いますが、そんな大金を庶民が用意できるとは正直思えません。
 

全くできないわけではないのですが・・・

資金を作るための金融的なスキルを学んできていないものですから、普通に暮らしていて資産運用を考えて実践している人は多くないというのが理由です。
 

筆者もファイナンシャルプランナーという資格に出会えたことで、資産運用の重要性に気が付いたのです。
 

■退職金の運用には注意が必要となる

 退職金を運用することで補填するのは選択肢にはなりますが、定年退職後の65歳から運用だけで赤字額を埋めるのは現実的な話でないことも知っておいて下さい。
矛盾しているように感じられるでしょうが、これは警告です。
より多くの投資効果も求めすぎてしまうと老後破産の可能性が高くなります。
老後生活における運用を成功させるためには、余裕資金の一部(5年程度は使わないでも大丈夫な金額)で活用することです。

退職金が入ると金融機関に相談する方が多いのですが、優遇金利が高いからといっても「一時的なキャンペーン金利で残念な金融商品」もたまにあります。
購入手数料や委託報酬料をしっかり吟味し、身の丈に合った運用を心がけておくといいでしよう。
 
 

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筆者 村井一則

2015年10月01日